施設への入居が決まると、さまざまな準備に追われ、衣類も急いで買い揃えなければと感じるかもしれません。
でも、慌ててすべてを購入する必要はありません。まずは施設の条件と、今お持ちの衣類を確認するところから始めましょう。
- 施設ではどんな服を着ればいいの?
- 今まで着ていた服は使える?
- 介護用の服を一式買い揃えた方がいい?
そんな疑問をお持ちのご家族も多いのではないでしょうか。
施設に入居するからといって、すべての衣類を新しく買い替える必要はありません。
今まで着ていた服の中にも、そのまま使えるものがあるかもしれません。一方で、お身体の状態が変わり、以前の服が着替えにくくなっていることもあります。
大切なのは、今ある服で使えるものを確認し、ご本人に合わなくなったものは買い替え、足りないものだけを買い足すことです。新しい衣類を購入する前に、確認しておきたい4つのポイントをご紹介します。
1. 施設からの必要な衣類のリストを確認しましょう
まずは、入居する施設から案内される衣類の準備リストを確認しましょう。施設によって、必要な衣類の種類や枚数、指定される条件は異なります。例えば、次のようなことです。
- 普段着は何枚必要か
- 肌着や靴下は何枚必要か
- パジャマは必要か
- 前開きなど、衣類の形に指定はあるか
- 名前はどこに、どのように記入するか
ご家族が「これくらいあれば足りるだろう」と考えて準備しても、施設によっては必要な枚数が違うことがあります。また、施設から前開きの衣類などを指定される場合もあります。
まずは施設が何を必要としているのかを把握することが、無駄のない衣類選びの第一歩です。
2. 施設の洗濯方法を確認しましょう
次に確認したいのが、施設での洗濯方法です。施設によっては、衣類をまとめて洗濯し、乾燥機を使用することがあります。ご自宅では問題なく着られていた服でも、乾燥機によって縮んだり、傷んだりする場合があります。
そのため、手持ちの服を施設で使えるか判断するには、洗濯表示の確認も必要です。一方で、乾燥機を使用しない施設や、衣類によって別の乾燥方法を相談できる施設もあります。
乾燥機に対応していないからといって、すぐに買い替える必要があるとは限りません。
施設の洗濯方法を確認したうえで、今ある服が使えるかどうかを判断しましょう。
3. ご本人が持っている衣類を一通り確認しましょう
施設の条件が分かったら、ご本人が今どんな衣類を持っているのか確認してみましょう。普段着ている服だけでなく、タンスやクローゼット、引き出しの中も見てみることをおすすめします。
例えば、引き出しの奥に新品の肌着や靴下が何枚もしまってあることがあります。ご本人は買い置きしていたつもりでも、ご家族はその存在を知らなかった、ということもあるでしょう。
すでに持っているものを確認せずに購入すると、同じような衣類が必要以上に増えてしまうかもしれません。まずは、次のように種類ごとに何枚持っているか整理してみましょう。
- 普段着
- ズボン
- 肌着
- パジャマ
- 靴下
そのうえで、施設の準備リストと照らし合わせます。ただし、持っている枚数が、そのまま施設で使える枚数とは限りません。サイズや傷み具合、施設の洗濯方法なども確認しておきましょう。
持っている服の全体を把握してから、不足しているものを考える。それだけでも、必要以上の買い物を減らすことにつながります。
4. 今のお身体の状態に、手持ちの衣類が合っているか確認しましょう
ここは特に大切なポイントです。以前は問題なく着られていた服でも、ご本人のお身体の状態が変わると、着替えにくくなっていることがあります。例えば、次のような変化です。
- 腕が上がりにくくなった
- ボタンを留めるのが難しくなった
- 片手で着替えるようになった
- ズボンの上げ下げに時間がかかるようになった
- 紙パンツやおむつを使用するようになった
- 車椅子で過ごす時間が長くなった
- 着替えに介助が必要になった
こうした場合は、手持ちの衣類が今のお身体に合っているか、改めて確認してみましょう。
トップスは、自分で着替えやすいものに
例えば、腕が上がりにくくなり、かぶるタイプのTシャツを着ることが難しくなった方。前開きのトップスに変えることで、腕を大きく上げずに着替えられるようになり、ご自身で着替えやすくなる場合があります。
ただし、ボタンの留め外しが難しい方もいるため、前開きなら何でもよいわけではありません。ご本人の手や腕の動きに合わせて、留め具の種類や生地の伸縮性なども確認しましょう。
着替えやすさに配慮したトップス
ズボンは、トイレでの上げ下げも大切です
ズボンも、単にサイズが合っていればよいとは限りません。例えば、紙パンツを使用するようになり、以前のズボンでは腰やお尻まわりが窮屈になってしまうことがあります。
また、片手でズボンを上げ下げする方にとっては、ウエストの伸びやすさや、生地の滑りやすさなども大切です。せたがや介護で取り扱っている「おしりスルッとパンツ」のように、上げ下げのしやすさに配慮したズボンを選ぶことで、トイレでの動作が楽になる場合があります。
上げ下げしやすさに配慮したズボン
ご本人のお身体の状態によっては、これまで介助が必要だった動作を、ご自身で行いやすくなる可能性もあります。
衣類を変えることが、日常生活の快適さにつながることもあるのです。
介助が必要な場合も、衣類の選び方は変わります
ご本人が自分で着替える場合と、ご家族や施設職員が着替えを介助する場合では、適した衣類が異なることがあります。例えば、寝たまま着替えることが多い方では、前開きで伸縮性のある衣類が使いやすい場合があります。一方で、立って着替えられる方なら、今までの衣類をそのまま使えることもあります。
「介護が必要だから介護服にする」のではなく、「今、どの動作が難しいのか」を確認することが大切です。
分からない場合は、施設の職員や理学療法士・作業療法士などに相談してみましょう。
買い替えるなら、困っているところを明確にしましょう
手持ちの衣類を確認したら、次のように整理してみると分かりやすくなります。
- 施設の条件に合い、問題なく着られる
- そのまま使う
- まだ着られるが、着替えにくい
- 着替えやすい形や素材を検討する
- サイズが合わなくなった
- 今のお身体に合うサイズに買い替える
- 施設の洗濯方法に対応できない
- 施設に確認し、必要に応じて買い替える
- 必要枚数に足りない
- 不足分だけ買い足す
例えば、トップスは今までの服が使えても、ズボンだけは上げ下げしやすいものに替えた方がよい場合があります。反対に、ズボンは問題なくても、腕が上がりにくくなったためにトップスだけ前開きに替える方がよい場合もあります。
すべてを買い替えるのではなく、ご本人が困っているところを明確にして、必要な衣類だけを選ぶ。それが、今の生活に合った衣類を揃える方法だと思います。
今までのお気に入りの服も大切に
施設入居の準備では、どうしても「洗濯しやすい」「着替えやすい」「管理しやすい」といった機能面に目が向きがちです。もちろん、どれも大切なことです。でも、衣類にはそれだけではない役割があります。
- 好きな色のブラウス
- 長年着慣れたカーディガン
- ご家族と一緒に選んだお気に入りの服
そうした衣類を身につけることは、ご本人にとって、新しい生活の中でも自分らしく過ごすことにつながるかもしれません。
介護が必要になったからといって、今まで好きだった服をすべて諦める必要はありません。
施設での生活に合うかどうかを確認しながら、できるだけご本人の好みも大切にしたいですね。
入居時に必要なものを揃え、あとは生活に合わせて
施設の準備リストと手持ちの衣類を照らし合わせ、入居時に必要なものを揃えましょう。例えば、施設から普段着を5枚用意するように案内された場合。今までの服の中に、施設で使えるものが3枚あれば、新しく用意するのは残りの2枚で済むかもしれません。
また、入居後に実際の生活が始まってから、必要な衣類が分かることもあります。施設が入居時に必要としているものはきちんと準備したうえで、すぐに必要ではない衣類まで最初からまとめ買いする必要はありません。
入居後のご本人の様子を見ながら、必要なものを買い足していく方法もあります。
衣類選びで迷ったら、せたがや介護にご相談ください
- 今までの服が使えるのか分からない
- 自分で着替えやすい服を探している
- ズボンの上げ下げが難しくなってきた
- 施設の洗濯方法に対応する服が必要
そんなときは、せたがや介護にご相談ください。せたがや介護には、理学療法士・作業療法士が在籍しています。ご本人のお身体の状態や、着替えの際に困っていること、施設での生活環境などを伺いながら、衣類選びのお手伝いをしています。
今まで着ていた服の写真や、施設から渡された衣類の準備リストなどがあると、より具体的に相談できます。LINEなら写真もそのまま送っていただけます。
今ある服を活かせるかどうかも含めて、一緒に考えましょう。
手持ちの服のことをLINEで相談するまとめ|全部買い替える前に、4つのことを確認しましょう
施設入居にあたり、新しい衣類を購入する前に確認したいのは、次の4つです。
- 施設からの必要な衣類のリスト
- 施設の洗濯方法
- ご本人が持っている衣類の全体
- 今のお身体の状態と、着替えの際に困っていること
今までの服で使えるものは、そのまま大切に。そして、今のお身体に合わなくなった服は、必要なところだけ見直してみましょう。新しい衣類に替えることで、ご自身で着替えやすくなったり、トイレでの動作が楽になったりすることもあります。
大切なのは、たくさん買うことでも、買わずに済ませることでもありません。ご本人が毎日を快適に過ごせる衣類を、必要な分だけ選ぶことです。
せたがや介護は、ご本人にもご家族にも安心していただける衣類選びをお手伝いします。







