介護をされているご家族様から、
- 着替えはどこまで手伝えばいいのでしょうか?
というご相談をいただくことがあります。
ご本人様が大変そうにされていると、
- 代わりにやってあげた方が良いのでは。
そう思うこともあるかもしれません。
そのお気持ちは、ご本人様を大切に思うからこその優しさだと思います。
一方で、介護では、できることは、できるだけご本人様に続けていただくことも大切だと考えられています。
「できること」を続けることの大切さ
以前せたがや介護に在籍していた理学療法士が担当した90代の女性のお話です。
腰椎圧迫骨折で寝たきりとなりましたが、ご本人様は自主トレーニングも続けられました。
少しずつ座れるようになり、歩けるようになり、最終的にはシルバーカーでスーパーまで買い物へ行けるまで回復されたそうです。
この経験から学んだのは、
人の力を信じること。
そして、
できることを続けられるよう支えること。
その大切さでした。
すべての方に当てはまるわけではありません
このエピソードが教えてくれるのは、
- 努力すれば誰でもここまで回復する
ということではありません。
一人ひとり、お身体の状態は違います。
回復のスピードも違います。
それでも、この経験を通して、その方が持っている力を信じることの大切さを改めて感じました。
そして、その力を発揮できるよう支えることも、介護の大切な役割なのだと思います。
小さな「できる」を大切に
例えば、着替えのほとんどは介助が必要でも、最後のボタンだけはご本人様が留められるかもしれません。
今日はボタン。次は袖を通す。
そのように、小さな「できる」を積み重ねることが、次の一歩につながることもあります。
「自分でできることを続けられる」という実感は、その方らしい暮らしや尊厳を支えることにつながります。
だからこそ、私たちは、ご本人様ができる部分はできるだけ続けられるよう、お身体の状態に合った衣類選びも大切だと考えています。
衣類も「できること」を支える環境の一つ
例えば、
- 前開きの衣類
- 大きめボタン
- 伸縮性のある素材
- お身体を大きく動かさずに着替えられる衣類
などは、ご本人様が「自分でできること」を続ける助けになる場合があります。
介護は、すべてを代わりに行うことではありません。
その方が持っている力を信じ、必要なところだけ支えながら、その方らしい毎日を一緒につくっていくことも大切だと、私たちは考えています。
迷われたらご相談ください
- どこまで手伝えばいいのでしょうか。
- 自分で着替えられる衣類はありますか。
そんな時は、お気軽にご相談ください。
せたがや介護では、ご本人様のお身体の状態や生活環境を伺いながら、ご本人様が「できること」を続けられる衣類選びを一緒に考えています。
私たちは、衣類もご本人様の「その方らしい毎日」を支える環境づくりの一つだと考えています。
※この記事は、以前せたがや介護に在籍していた理学療法士が訪問リハビリで経験した事例をもとに、現在の知見や日々のご相談内容も踏まえて再編集したものです。



