認知症になると、

  • 今までできていた家事は、もう任せられないのではないか。

そう考えられるご家族様も多いかもしれません。

しかし、第27回日本認知症ケア学会大会で学んだ内容の中には、とても印象に残るお話がありました。

それは、

認知症が進行しても、「洗濯物を干す」「洗濯物を畳む」といった動作は比較的続けられる方がいらっしゃる

ということです。

「干す」「畳む」は続けられることがあります

研究では、認知症が進行した方でも、

  • 洗濯物を干す
  • 洗濯物を畳む

といった動作は、比較的保たれやすいことが報告されています。

長年繰り返してきた家事は、身体が覚えている動作として残っている場合があるためです。

もちろん、すべての方に当てはまるわけではありません。

しかし、

  • 認知症だから、洗濯はすべて代わりにした方が良い。

と考えるのではなく、

  • まだできることは何だろう。

という視点を持つことが大切だと感じました。

家事も「その人らしさ」の一つです

洗濯は、単なる家事ではありません。

毎日繰り返してきた生活の一部であり、長年、ご家族様のために続けてこられた大切な役割でもあります。

「自分でできた」という自信や、「まだ役に立てる」という気持ちを保つことにつながり、役割を失ったように感じる不安を和らげる可能性があります。

だからこそ、ご本人様ができる部分は続けられるよう環境を整えることも、認知症ケアの一つだと考えています。

衣類選びにもつながります

洗濯を続けやすくするためには、衣類も工夫できることがあります。

例えば、

  • 乾燥機に対応した衣類
  • シワになりにくい衣類
  • 畳みやすい衣類
  • 前後が分かりやすい衣類

などは、ご本人様にも、ご家族様にも扱いやすい場合があります。

例えば、洗濯物を少し違う場所へ干してしまったり、濡れたまま畳んでしまったりすることもあるかもしれません。

そんな時も、乾燥機に対応した衣類や、お手入れしやすい衣類を選ぶことで、ご本人様もご家族様も、「完璧でなくても大丈夫」と思える環境づくりにつながることがあります。

お手入れしやすい衣類

ご本人様が洗濯に関わる時間には、「自分でできた」という経験が含まれています。

すべてを完璧に行うことだけが大切なのではなく、家事に参加する機会を持つことにも大きな意味があります。

私たちは、衣類もご本人様の「できること」を支える環境づくりの一つだと考えています。

迷われたらご相談ください

  • 認知症の方が着替えやすい衣類はありますか?

そんな時は、お気軽にご相談ください。

せたがや介護では、ご本人様のお身体の状態や生活環境を伺いながら、ご本人様が「できること」を続けられる衣類選びを一緒に考えています。

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※この記事は、生活協同組合コープかごしま・鹿児島県作業療法士協会かごしま認知症OTネットワーク作成『くらしのあれこれヒント集 パート2』および、第27回日本認知症ケア学会大会 教育講演7「生活障害や残存能力の解像度を高めリハビリテーションやケアに活かす」(演者:田平 隆行先生)の講義内容を参考に、せたがや介護が日々のご相談や衣類選びの経験を踏まえてまとめたものです。